紅香の愛・Tokyo Benica・桜木町恋唄ナンバーワン..完
それからすぐに
店の夏休みが
はじまったが、
そのあいだに
父が亡くなった。
入院１ヶ月で
あっけなかった。
3度目の
禁煙に失敗して、
開き直って
吸い続けた結果だった。
店はやめて、
亭主が
会社で借りてくれた、
都内のアパートで
ふたりで
新生活をはじめた。
それから
すばるという
男の子が
生まれ、
わたしは文筆業で
すこし名が
知られるようになった。
あれから、
桜木町ヘは
行っていない。
だが
あの街で
わたしは
ナンバーワンになった。
..............
朝
亭主と息子を
送りだし、
ロイヤルミルクティ一を
淹れてから
執筆をする。
そして
午後になり
わたしは、
亭主の半袖のシャツに
とても丁寧に、
アイロンをかけて
あげたのだった。
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