2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧
子供たちは、 こんなメニューでも とってもとっても大好き と言ってくれる。 エリナさんの 朝のケーキは クラスが上がってゆき、 それはそれは 高級になって、 たいそう複雑豪勢だったが、 子供たちに あげると 好きじゃない という... 残していた。 でも、 …
それからは、 いたしかたなく 夕方から預かる。 炊飯器に、 チャーハンスープと ミックスベジタブル を入れた 炊き込みライス が毎日。 それを色のついた 紙カップに盛りつけ、 ミニハンバーグ コロッケ カラアゲ カレー が日替わりで ひと品つくだけ。 それ…
「ママちゃんの ところに行ってきな」 エリナさんが 子供たちを あたしに よこす。 ママちゃん.. もーー 素手で闘おうとしている 相手に ミサイルじゃん。
それからずっと、 毎朝の ケーキの箱。 あたしは 昼から 夕方までのシフト。 これはいったい、 どういうことでしょうか..
ただ ひとつだけ 違っていたのは、 エリナさんが ケーキの箱を 渡してくれたこと。 〈サバラン〉 ..
走って 帰宅すると、 昨夜と 同じ光景.. 同じ眠り 同じフレンチトースト 同じ朝8:30 エリナさん ツケマツゲ プラチナ盛り 「イイ匂い〜」
で、 とにかく 子供たちのことが 気になって 気になって 気になって、 しかたがなかったので、 夜11時に 恩田さんに 替わってもらい 帰ってきた。 彼女は あたしより 腕はおちるが、 丁寧だ。
その日は、 あたしは 昼から夜中までの シフトを ギッチリ 入れていた。
あたしが 子供たちに フレンチトーストに 蜂蜜を かけて 食べさせているのを みて、 「イイ匂い〜」 と言った。
朝8:30 ふたりのお母さんの エリナさんが、 やってきた。 スーパーの レジをやっていたはず なのに、 職業を変えたな... スゴいツケマツゲと、 盛った プラチナブロンド。 あたしより 外人みたい..
そんなこんなで、 あたしの 強い強い気の元で、 子供たちは 一気に 眠ってしまった。 なにも 心配ごとなんて、 ないかのように..
ただ まとまったお金に なりにくい... あたしは この30倍の気で 人を治しても いるのだね。
だいたい あたしは、 子供の扱いが 苦手である。 マッサージの アジアチャンピオンを 目指した理由は、 カンフーを やっていたからだ。 気功の筋の人から 言わせると、 一般人の30倍の気が でているんだって... カンフーも ほとんど気で 相手を倒すので、 恐…
ドアの表に 〈305 コドモ〉 とだけ 書いて貼った。
女の子を 抱きしめてやった。 ママ〜 ママ〜 あたしだって そう言いたい。 なんだか この子が他人なんだか 自分なんだか、 わからなくなってきた... ただ、 よその家に 無断で あがっているわけには、 いかない。 あたしは 異国人だしさ..
ピンクの水玉の パジャマ... 2才ぐらいの女の子が 大泣きしていた。 傍らに、 ブルーのロケット模様の パジャマを着た 5才ぐらいの男の子が 半分 眠りかけて ぼんやり していた..
泣いている 小さな子供は あたしなんだ... 飛びだして、 斜め向かいの ドアを ひらいた。
あたしだって、 泣きたくなってくる。 なにしろ 誠実なことに、 飢えてるんだからさ。 リュウさんに 逢いたくなる。 父さんや 母さんに 逢いたくなる。 ママ... 子供たちは ママと言って 泣いているのだ!!!
しかし、 また なんだって あれほど 哀しい声で 泣けるかね。
と 子供の泣き声... ........... ピーチピンクの 夢を描いていたのに。
0:30 の勤務が おわった。 体力は使い果たしたが、 集中したあとの 爽快感... 赤いハーブティーを 飲んで 楽しいことを 想像して眠る。 睡眠前に なにを考えるかが、 とても 大事なんですって..
そうです。 あたし、 お金は ためたけれど、 すこし病気。 誠実なことに、 飢えている 病気..
それでも、 彼らは言う。 「俺を 信じてくれないの ですか」 ..................... 信じられないに 決まってる。 ゆがんでいるのだ、 逆さまに、 ゆがんでいるのだ。
わたしの国では、 まるで 湧き起こらない 感情..
でも なんだか この国にいると、 誠実なことに 飢えてしまう。
お休みは たまらなくうれしい。 なにしろ 週6日 働きづめ... それでも 早起きはして、 洗濯 掃除のあと、 ファッション誌と サバランという名の ケーキの ティータイム。 日本のスウィ一ツは 信じられないほど 美味しい..
ひと月ほど前、 むかいの部屋の 住人が かわった。 無口な青年から、 子供を 二人連れた、 女の人になった。 ご主人は 見かけない... 要注意だ。 異国で 子供に関わっても、 ろくなことはない..
そうねえ、 もうすでに 故郷に ニ軒の店を 持てるぐらいの お金は 稼いだわ。 あともうー軒 持つかどうか... 帰るか まだいるか... 村には リュウさんも いる。 連絡をしなくても、 じっくり あたしを 待っている。 目の中を のぞきこむと わかる。 あたしが…
お金を数えるのが 大好き。 国に送金するときに、 とくに興奮する。 なぜなら、 あたしは 腕がいい。 外国人の あたしが 出張マッサージに 行くと、 それは大変な 勘違いもあるが、 まあ それも どうとでもなるわ。 確かな技術の ありがたさ、 修業のちから…
ドアが開いて あたしを見ると、 みんな 拍子抜けする... ダボダボした でか短パンの、 ジャージ姿だからだ。 それでも あたしは、 アジア式マッサージの 国際大会の チャンピオン なんだからね。