叔父が スナイパーだったので、 良く知っている... 特殊部隊。 そのなかでとりわけ 小型小銃の、 名手だった。 出来すぎたのだ... 彼はその後 だれの記憶にも、 21才の 精悍な、 若い戦士のままだった..

ついさきほどまで、 繋がっていたのに。 ...... ガラス戸の右下、 カーテンが ほんの少しめくれた。 そこには、 男の目があった。 ......... 射つ人の、 眼だ..

ただちに スマホを手にし 主人に電話を と、 つながらない！

ええぇ..

窓側らしき ところに寄ったが、 空の気配が わからない。 ................... 外枠が頑丈 なのだろう..

いつのまにか 夜は、 ８時をまわっている..

ヨーロッパ訛りの 英語。

もう、 あと戻りできない ってこと..

すると、 階下から 数人の足音..

あの中肉中背の 意思薄弱そうなメガネの フロントマン、 生気の感じられなさが より 深刻さを増してきた..

解約... いや それより悟られずに、 ここから離れたい。 手荷物を あるていど残して、 もうニドト 戻らない！ と言うのは、 どうだろう。 あぁ お気に入りの、 旅行鞄... 命か物か。

それより、 帰りたい..

とにかく、 スマホが繋がることを 確認。 充電池を 上着のポケットにいれ、 よびこを 首からさげる。

なんだか怖い、 という ひさしぶりの感覚... わたしは とんでもない選択を、 したのかしら。 平和すぎて、 まちがった道に 引き寄せられたのだ。 サバイバル..

たどりつけるのかしら、 といぶかりながらも 到着。 どれだけバスを、 乗り継いだか.. その昔 貴族の館だった建物を、 そのまま使っている... にしては、 不思議な部屋を あてがわれた。 階の中ほどに、 仕切られた片面 ほぼ硝子障子... かなり、 くつろぎに…

パインツリーが たくさん 生えているような山小屋... ここだと いう場所にあたりをつけ、 予約した。 ネットでのあたりまえの入力 とは、 違う。 かなりてこずったが、 大丈夫.. それだけ、 人には気づかれにくい 秘境なのですね。 リビングには いつも置い…

都会に暮らし 快適なあまり、 なんの不自由もない.. 家から10メートル先に 巨大なコンビニもある。 そして 税金も納めていて、 健康。 さらに健康な 夫と息子と、 猫.. ...... 山荘に行きたい.. ひとりきりで。