2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧
ひとしきりの会話の あと、 彼から 招待状をもらった。
フランスの 高級ブランドの 日本支社長.. 若きブロンドの獅子。
彼は、 わたしを 二度見していった。 「すぐ 終わるから」
わたしが 彼の隣りに着くと、 「ちょっと 待っててね」 流暢な 日本語で、 口早に 詫びをいれると、 また商談相手に 向き直った。 !!
最上級の お席。 ヨーロッパ系の 若い男性と 日本人の 優雅な紳士とが、 熱心に 商談中..
「桜子さん お願いします」 黒服に 呼びかけられ、 わたしは 階下にゆっくりと 降りる。 今夜は オープニングから... お気に入りの 白いシルク キャミソールに、 深紅のタフタの ふくらんだ膝までの スカート、 同色のスカーフを 大きなリボンで横に 結んで…
そのとなリに くっついているだけで、 あらゆる 成約から 解放された。 強制的な 同伴や パーティー券の購入など、 サナギの 一喝で、 すべて まぬがれた。
わたしは どれだけ、 彼女に 助けられたことだろう。
化粧をして、 女性たちが客を待つ テーブル席についた。 たとえようのない、 緊張感... この夜は、 親友の サナギが先にいた。 ハーフかとおもわれるような 、 浅黒い 彫りの深い顔立ち。 はっきりとした 物言いと、 その長身で 他を圧倒していた。
わたしは 桜子。 まだなにも、 もってはいない。 ただひとつ わかっているのは、 なんでも 最高の場所へ行け... ということ。 まちがいない、 いまはここ。 この 赤坂こそが、 運命の地だ。 おのれが 動きはじめたなら、 物語は ........... あとからついて…
「その若さだけで 充分 魅力がある」 11歳年上の ハルコは、 繰りかえし わたしにいう。 「なにを着たって 似合うのだもの」 .......... 近所に住んでいる彼女は、 おさがりの シルクのドレスを、 押しあてた。 夕方 ふたり、 タクシーで出勤する。 そこは …
夜中から 明け方までが、 不思議なレクイエムの ような日々.. 23才の春だ。
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