紅香の愛・Tokyo Benica・二ューヨークの女王 3･完

わたしは
燃えさかる赤となり、
シアターでの
成功を
おさめた。
そして、
その年末の
グランプリ出場へと、
駒を進めた。
ただ
いまたったひとつだけ
全身タイツのような、
この簡素な衣装を
どうしよう...
と、
真剣に
考えていた。
高級ブランドの
デザイナーに
オーダーメイドできる
資金はある。
しかし、
実際に
勝ってきたのは、
この
コスチュームだったから...
さあ
ほんとうに、
どうしよう...
そして最終決戦。
わたしは
ついに、
グランプリを
獲得した。
すべての要素が、
たまたま
運良く
単純に合致したのだ。
すぐに
いくつかのプロダクション
から話があり、
ニューヨークに移住する
という
選択肢があった。
だが、
帰国した。
日本には、
母も恋人もいたのだ。
ふたりを棄ててまでの、
才能ではない。

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2015年

悠々自適の、
東京暮らしが始まった..