紅香の愛・Tokyo Benica・こんなふうにして、麗子を待っている..完
なんでもない
ある午後
ふ頭で
俺は
昼寝をしていた...
優しいカモミール
と
甘いバラの
匂い。
麗子が
俺を
のぞきこんでいた...
花柄とペーズリーの
ワンピース
穏やかな日差し。
そして
それが、
麗子を見た最後。
そのあとすぐに
あっけなく
死んでしまったから...
.............
ただ俺にはもう
そんなことはどうだっていい。
強烈な
懐かしさ...
島はそんな想いで
存続しているから。
島は
愛した人の
墓標だ...
............
だから
俺はまた
こんなふうにして、
ただ
麗子を待っている..